イノベーションのライフサイクル

図:Harvard Business Reviewより抜粋

一般的には企業がもっと大きくなったり、事業を成功させるにはイノベーションが重要だとされています。

インターネット辞書で調べてみました。

■イノベーション【innovation】

1 新機軸。革新。

2 新製品の開発、新生産方式の導入、新市場の開拓、新原料・新資源の開発、新組織の形成などによって、経済発展や景気循環がもたらされるとする概念。シュンペーターの用語。また、狭義には技術革新の意に用いる。


普段使用されるイノベーションという言葉は、1も2も当てはまると思います。

革新的なソレによって、
今までの環境に好循環をもたらすもの。


と解釈しておいて頂けたらと思います。ソレとは製品であり、技術であり、サービスであり、あなたの会社が収益を上げている市場との接点です。

上図はイノベーションのライフサイクルを表した図です。とてもわかりやすい僕のお気に入りの図です。自社の製品(サービス)の現在のポジションを見つけてみてください。

イノベーションは、
急激に市場を成長させ、
ある程度上昇すると伸び悩み、
やがて衰退していく。


それでは、イノベーションのライフサイクルとその場面でのマーケティング上の対策を考えていきましょう。

イノベーションは、
1.イノベーションの発生
2.急激に市場を成長させる
3.ある程度上昇すると伸び悩む
4.やがて衰退していく


の大きく4つのステージからなっています。

1.イノベーションの発生
イノベーションといっても様々なので、ここでは携帯電話を例にとって見てみます。

携帯電話の誕生は、今まで自宅と電話ボックスでしか電話が出来なかった時代において、「いつでもどこでも電話ができる」という新しい技術のイノベーションです。

その技術は、とても革新的ですごいインパクトを市場にもたらしました。多くの場合、ものすごいインパクトのあるイノベーションというのは新しい技術の開発と密接に関係しているようです。


2.急激に市場を成長させる。
新しい技術のイノベーションにより、新しい市場が形成されます。一般電話回線という市場の近くに、携帯電話という市場が形成されたのです。
 
NTTはDoCoMoをつくり、J-PHON、ツーカー、AUなど多くの電話メーカーが誕生し、市場を拡大していきます。

この時点では、「商品があれば売れる」という売り手が強い市場ですので、マーケティング的な戦略は、如何に新規客を取り込めるか。多くの場合、CMや雑誌広告で大きくアピールしていきます。


3.ある程度上昇すると伸び悩む
この段階では市場は既に成熟しています。完成した市場で企業は何が出きるでしょうか?

 図をもう一度ご覧ください。

なだらかになったところで「経験のイノベーション」というのがあります。
 
この段階で企業に問われるのは、

 その商品を使って、お客様にどんな価値経験を提供できるのか?

ということです。

例えば携帯なら、新規ユーザはどんなプロセスを踏んで携帯を契約するのか?機種変更のユーザはどんなプロセスを踏んで携帯を契約するのか?その際に、どんな不満があり、どんな所に困っているのか?を知る必要があります。

また、購入後の使い勝手やトラブル対応も知っておく必要があります。つまり「携帯」という商品を通じて、お客様がどんな体験をするのかその一連の体験を知り、よりよくする為にコーディネートしてあげないといけません。

この段階では、製品自体だけでは差別化が難しく、その製品を取り巻く環境を考慮することがポイントです。


 4.やがて衰退していく
イノベーションはやがて衰退していきます。それは、別の新しい技術などに取って代わられ、また新しいイノベーションへと企業は移っていきます。

しばらくはなだらかに衰退していくのですが、「断裂」が発生してその市場は終焉を迎えていきます。

断裂のタイミングをしっかりと見定めておくことがすごく大切になることはご理解いただけると思います。

 
さて、簡単にですがイノベーションのライフサイクルについてご説明してきましたが、いかがだったでしょうか?

僕が最も重要だと思っているのは、「3」のなだらかになった段階(市場が成熟した段階)でどのような手が打てるか?ということにあると思います。

こういったライフサイクルを頭にイメージしながら商売をするのとそうでないのとでは、スピードや打ち手のキレに差が出てくるのではないでしょうか?

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